矯正歯科
Orthodontic
矯正歯科とは
Orthodontic

悪い噛み合わせを正しくして、きれいな歯列にしていく治療です。噛み合わせが良くなることによって食べ物をしっかり噛める、虫歯や歯周病の予防になる、発音障害が解消する、全身のバランスが整い肩こりや頭痛が改善する可能性があるなど、健康面や機能面にもさまざまなメリットがあります。歯の寿命にも良い影響をもたらし、長く健康的に使える歯の土台になります。
また、歯並びがきれいに整うことで口元が美しく仕上がります。これまで歯並びをコンプレックスに感じて表情に自信がなかった方も、すてきな笑顔を振りまけるようになります。
不正咬合による体への影響
噛み合わせの悪さは、お口の中に影響するだけにとどまりません。不正咬合によって食べ物をしっかり噛み切れず大きなかたまりのまま飲み込んでしまうと、消化不良により内臓への負担が大きくなって胃腸の調子が悪くなることがあります。また、肩こりや頭痛、疲れやすいなどの症状を引き起こし、場合によってはストレスの原因となることもあります。さらに、顎関節に痛みが出たり口を大きく開けられなくなったりする顎関節症につながるおそれがあるなど、全身への影響が考えられます。
エアウェイ
不正咬合の状態でいると、空気が喉を通りづらくなって全身に酸素が行き渡りにくくなるというリスクがあります。こうした状況を踏まえて、近年は気道を確保するための歯科治療が注目されています。それが「エアウェイ」です。エアウェイでは、歯列の内側にある舌房(舌を収めるスペース)を充分に取るようにして、U字型に歯列を並べます。舌房が狭いと舌が喉の奥の方に行かざるをえず、結果的に気道が塞がれて酸素不足になってしまいます。矯正治療では噛み合わせの調和を取りつつ、口腔内の容積を広げて舌房を確保します。
治療の種類
表側矯正
歯の表面にブラケットとよばれる小さな装置を接着し、そこにワイヤーを通して歯を動かす治療法です。矯正治療のなかでは最もオーソドックスなもので、ほとんどの症例に適用することができます。また、ほかの矯正治療に比べて費用を抑えられる場合があります。舌が装置に触れないので発音に影響しにくいというメリットもあります。
ただし、金属の装置が歯の表側に付くので目立ってしまうという難点があります。食べ物が引っかかりやすく、歯を磨くのが難しいなど、清潔に保つには丁寧なケアが必要です。裏側矯正
マルチブラケット装置を歯の裏側に装着し、歯の位置をコントロールする矯正治療です。舌が装置に当たるので発音に慣れるまで時間を要しますが、装置が見えにくくなるという大きなメリットがあります。表側矯正のように口元を気にすることなく、会話や食事などを楽しめます。
また、歯の裏側は唾液が溜まりやすく汚れが洗い流されるので、虫歯にかかりにくいとされます。一方で歯の表側はしっかり磨くことができます。さらに、歯の裏側から引っ張る動きが得意な矯正となるため、出っ歯などの治療に適しています。部分矯正
歯並びのなかで気になる歯だけを矯正する治療です。全体の噛み合わせや歯並びは整えません。部分矯正のメリットは、全体的な歯列矯正に比べて治療が簡易的になり、治療期間が短くなることです。また、使用する矯正装置も低価格になるなど、治療全体で見ると費用を抑えられる傾向にあります。前歯の隙間、一部のデコボコ、少し目立つ八重歯など、部分的に見た目をきれいにしたい方におすすめです。ただし、不正咬合の度合いが大きいケースや歯列全体の矯正が必要な症例などには対応できません。
マウスピース矯正
マウスピース型の装置を使った矯正治療です。マウスピース矯正(インビザライン)では口腔内スキャナーを使って歯型を取ります。そこから治療のシミュレーションを構成し、そのデータをもとにマウスピースの装置を作製します。マウスピースは時期ごとに取り替えながら装着していただきます。
マウスピースは透明で薄く加工されており、装着してもほとんど目立ちません。また、取り外すことができるので、お食事や歯磨きを普段どおりに行なえます。装置が目立つのが気になる方などにおすすめです。
当院の矯正治療
矯正歯科とインプラント治療のコンビネーションによる治療
歯を失った場合に検討されるインプラント治療は、歯並びを整えたあとに行なうことでより良い効果が生まれます。もし、インプラント治療を考えながらも歯並びに悩んでいる場合は、インプラント治療と矯正治療の併用を検討できます。先に矯正治療を行なって歯並びや噛み合わせを正しくします。これによりインプラントを正しい位置に埋入することができ、噛み合わせや審美性の仕上がりが良くなってお口全体の調和が取れます。また、歯を磨きやすく歯垢が溜まりにくい歯並びとなるので、インプラントを清潔な状態に保ちやすくなります。

料金表
Price
治療内容 | 費用(税込) |
---|---|
インビザライン | 660,000円 |
リテーナー | 55,000円 |
咬合診断 デジタルワックス診断 | 220,000円 |
医療費控除について
Medical expense deduction
医療費控除とは
本人および生計を同じにする配偶者、その他親族のために1年間(毎年1月1日から12月31日まで)に10万円以上の医療費を支払った場合、一定の金額の所得控除を受けられる制度です。翌年の3月15日までに申告することで医療費控除が適用され、税金が還付されます。申告し忘れても、5年前までさかのぼって申告できます。
医療費控除額の算出方法
控除額は、下記の計算式で算出できます。
医療費控除額(※1)
1年間
(1月1日~12月31日)
に支払った金額
各種保険で
支払われた金額(※2)
10万円
または所得の5%(※3)
- 算出した金額がマイナスの場合は医療費控除対象外。控除額の上限は200万円。
- 出産育児一時金、配偶者出産育児一時金、家族療養費、高額療養費生命保険会社・損害保険会社から支払われた傷害費用保険金・医療保険金・入院給付金など。
- 所得金額が200万円未満の方は、所得金額の5%。
医療費控除の対象となる医療費
おもに、下記の内容に支払った医療費が控除の対象になります。
- 医師または歯科医師による診療・治療
- 治療または療養に必要な医薬品の購入
- 病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、指定介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設または助産所への入所
- あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術
- 保健師、看護師、准看護師による世話
など
また、治療のための通院費も医療費控除の対象になります。小さなお子さまの通院に付き添いが必要なときなどは、付き添われる方の交通費も通院費に含まれます。通院費として認められるのは、交通機関などを利用したときの人的役務の提供の対価として支出されるものです。自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代などは、医療費控除の対象になりません。
還付を受けるために必要なもの
医療費控除を受けるには確定申告する必要があります。毎年2月16日から3月15日までの間に行ない、還付の手続きをしてください。確定申告時には、下記の書類の用意や税務署への提出が必要です。
- 確定申告書
- 医療費控除の明細書
など
医療費控除についての詳細は、国税庁のホームページ「医療費を支払ったとき(医療費控除)」、「医療費控除の対象となる医療費」をご確認ください。
リスク・副作用
Risk
矯正治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 矯正治療の一般的な治療費は60万~150万円、一般的な治療期間は2~3年、一般的な治療回数は24~36回となります。使用する装置、症状や治療の進行状況などにより変化しますので、参考程度にお考えいただき、詳細は歯科医師にご確認ください。
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- 治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生えそろっている場合は、一般的に1年半~3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~2年、永久歯がすべて生えそろったあとに行なう第2期治療で1~2年半を要することがあります。
- 歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
- 装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
- ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
- 治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
- 歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
- 装置を外したあと、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置を外したあと、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
- 治療後に、親知らずの影響で歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
- 加齢や歯周病などにより、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。
- 矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。
裏側矯正装置を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 装置に慣れるまで発音しづらいなどの症状が出ることがあります。
- 矯正装置を装着している期間は、適切に歯磨きができていないと、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。歯磨き指導をしますので、毎日きちんと歯を磨き、口腔内を清潔に保つようご協力をお願いします。
- 歯磨き、エラスティック(顎間ゴム)の使用、装置の取り扱い、通院などを適切に行なっていただけない場合、治療の期間や結果が予定どおりにならないことがあります。
- 成長期の患者さまの治療では、顎骨の成長を予測し、現段階において適切な治療を行ないますが、まれに予期できない顎の成長や変化によって治療法や治療期間が大きく変わることがあります。また、顎の変形が著しい場合には、矯正治療に外科的処置を併用することがあります。
- 歯を移動させることにより、まれに歯根の先端がすり減って短くなる「歯根吸収」を起こすことがあります。しかし、適切な矯正力で歯を移動させることでセメント質(歯根表面を覆っている組織)が修復されるため、歯根吸収のリスクを軽減できます。
- 歯の周囲の組織は、治療前の状態に戻ろうと「後戻り」する性質があるため、治療後も数ヵ月から1年に1回ほどの頻度で通院いただいて歯の状態を管理し、後戻りを防ぐ必要があります。
部分矯正にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 前歯6本だけを治す方法なので、噛み合わせは改善できません。噛み合わせの改善を希望される方は、全顎の矯正治療が必要となります。
- 症状によっては、でこぼこの前歯がきれいに並ぶスペースを確保するため、歯と歯の間を削る必要があります。しかし、エナメル質(歯の表面)を0.3~0.8mmほど削る程度なので、歯への支障はほとんどありません。
- 前歯だけの治療となり動きが限られているので、症状によっては希望どおりに仕上がらないことがあります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。
- ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
- 症状によっては、マウスピース型矯正装置(インビザライン)で治療できないことがあります。
- お口の中の状態によっては、治療計画どおりの結果が得られないことがあります。
- 装着したまま糖分の入った飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
- 治療によって、まれに歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
- 食いしばりの癖が強い方の場合、奥歯が噛まなくなることがあります。
- 治療途中で、ワイヤーを使う治療への変更が必要になることがあります。
- お口の状態によっては、マウスピース型矯正装置(インビザライン)に加え、補助矯正装置が必要になることがあります。
- 治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
- 薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。
薬機法において承認されていない医療機器「インビザライン」について
当院でご提供している「マウスピース型矯正装置(インビザライン)」は、薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。
未承認医療機器に該当
薬機法上の承認を得ていません(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2025年2月20日最終確認)。
入手経路等
アライン・テクノロジー社(日本法人:インビザライン・ジャパン合同会社)より入手しています。
国内の承認医療機器等の有無
国内では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)と同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2025年2月20日最終確認)。
諸外国における安全性等にかかわる情報
1998年にFDA(米国食品医薬品局)により医療機器として認証を受けていますが、情報が不足しているため、ここでは諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。
医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の救済対象外
国内で承認を受けて製造販売されている医薬品・医療機器(生物由来等製品である場合に限る)・再生医療等製品による副作用やウイルス等による感染被害で、万が一健康被害があったとき、「医薬品副作用被害救済制度」「生物由来製品感染等被害救済制度」などの公的な救済制度が適用されますが、未承認医薬品・医療機器・再生医療等製品の使用は救済の対象にはなりません。また、承認を受けて製造販売されている医薬品・医療機器・再生医療等製品であっても、原則として決められた効能・効果、用法・用量および使用上の注意に従って使用されていない場合は、救済の対象にはなりません。日本では、完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。
口腔内スキャナーを用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医療機器です。光学的に口腔内の印象を採得し、ディスプレイに表示して診療や患者さまへのご説明に使用したり、採得した3Dデータに基づき、マウスピース型矯正装置(インビザライン)や補綴物などの設計・製造に使用します。
- 口腔内スキャナーを使用して行なう治療で、マウスピース型矯正装置を用いた治療やセラミックの補綴物の作製などは、機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 印象剤を使用した従来の印象採得に比べ、印象採得時の不快感は大幅に軽減されますが、お口の中にスキャナーが入るため、ごくまれに多少の不快感を覚えることがあります。